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アートから、いろんな想いや気づきを感じることがあります。今、この瞬間にも紡がれてゆく人生を豊かにしてみませんか

 人生はいろいろです。希望に満ちている方もいれば、仕事や健康、家族などに何かしらの不安や生きづらさを抱えている方もいると思います。特に、この不安定な社会で、何を考え、何を求め、どの様に生きて行くのか、これは非常に難しい問いです。しかし、その答えの鍵は、自分で自身の「意味」を考え創ることではないかと私は思います。

 私が"医師"になり始めたと感じたのは、医師免許取得後20年もたってからのことでした。それから、医師とは何か、研究者とは何かと考え始め、同時に医療や学び、多様性とは何かという思考の深まりを感じました。2016年には、医学生を対象としたビジュアルアート授業を開始し、そこで改めてアートが観察力・対話力だけでなく共感力や内観力に関する「気づき」を与えてくれることを実感しました。加えて大病を患ったことも、自分を見つめることの大切さに繋がりました。

 この経験から、日々お忙しく仕事をされている医療職の方々にも、アートによる「気づき」を体験していただきたく、岡山県立美術館と福武教育文化振興財団のご支援を受け2022年にWellArt Okayamaを立ち上げました。岡山発信のこの活動を、今後は一般社会人の方々にも広げていきたいと思っています。

 

 アートには不思議な力があります。触れることでワクワクするばかりでなく、自分の内面に長く隠されていた想いや気づきに出逢うことができます。楽しみや歓び、生きがいなど様々なことを考えるようにもなります。

 ぜひ一緒に、非日常的でゆったりとした時間を過ごし、いろんな「気づき」を感じてみませんか。今この瞬間にも紡がれてゆく人生の、本当の豊かさに出逢う秘訣が、あなたにも見つかると思います。

​ご挨拶

木股 敬裕
代表 木股敬裕

WellArt Okayamaのこれまでの経緯

1)岡山大学医学部教育にビジュアルアート教育の導入 

“科学”を中心に発展してきた近代医学に対し、人間性を養うための教育が再考され、ビジュアルアートの導入が2000年前後から米国を中心に始まった。Yale大学やWeil Cornell Medical Collegeは、美術館の協力の下に絵画を観察し対話することが観察力や診断力の向上に繋がることを報告し、さらに全米医学部学生を対象とした別の研究では、音楽、文学などのアートに接した医学生が良質な人格を有していることが示された。その後、70以上の欧米の医学部に芸術的教育が導入されたが、日本では座学教育が主体でこの試みはほとんどされていなかった。

 WellArt代表の木股敬裕(元岡山大学学術研究院医歯薬学域形成再建外科学教授)は、形成外科の診療に観察力と表現力の必要性を認識し、臨床実習の医学部生に対して日本初のデッサン(下部写真)を体験させる試みを2016年12月から開始した。さらに、岡山県立美術館の協力の下にVisual Thinking Strategies (VTS、対話型鑑賞)を導入する試みを2020年7月から開始した。同時に、岡山大学学術研究院医歯薬学域総合内科学の小比賀美香子講師と協力してその効果に対する研究も始め、2022年度からは医学部学生自らが選択したアートを媒体として観察と対話を行うアートプレゼンテーションを加え、デッサン、美術館ワーク、プレゼンテーションの3部門構成で現在に至っている。その内容は、多くのマスコミ紙や論文に掲載されている。​​

2)医療職対象ワークショップの始動 

 現在は、極めて複雑で、不安定・不確実・曖昧の社会であり、良き人生を過ごすためには、答えがなく対処困難な課題に耐える能力(ネガティブ・ケイパビリティ)や、かつ自分自身の「意味」を創ることの大切さが問われるようになって来ている。 これは、多忙で非常にストレスを抱えている医療職は勿論、持続学習が求められる一般社会人にとっても重要なことである。そして、医学部学生のビジュアルアート教育の経験から、その涵養に非日常的な美術/アートの体験は効果的に影響するのではと考えるようになった。 

   そこで、岡山県立美術館と協力し対話型鑑賞を含めた新たなアートワークショップを医療職の方々に提供することを企画し、2021年9月1日にWellArt Okayamaを発足した。構成は、岡山大学病院医師、岡山県立美術館学芸員、デッサン教室講師、ベネッセホールディングスタッフ、芸術家である。目的は、岡山の医療職の方々のセルフケアを含めて人生を豊かにし、より温かみと人間味のある医療へ繋げ、そして岡山県民に良い医療を持続的に提供するためである。この活動は、2022~2024年度の3年間の福武教育文化振興財団の先進的事業助成に採択された。

   「アートと共に豊かでウェルネスな人生100 年を生きる」をテーマに、2022年7月2-3日に第1回プレワークショップ、7月16日にベネッセ直島でのアート研修、2023年2月25日に第2回プレワークショップ、5月28日に第3回プレワークショップを行い、参加者のアンケート結果を基に企画内容の修正を繰り返した。そして2023年10月9日に、第1回医療者のためのアートワークショップを公募形式で県立美術館にて開催するに至った。その構成は、対話型鑑賞、ドローイング、芸術家との対話、総合対話ワークである。「楽しかった!」「無意識のうちにアートを通じて自分のことを考えていた」「皆が自然に医療現場の振り返りをしていた」など非常に前向きな意見が多く寄せられ、またマスコミにも掲載された(下部写真)。

 その後、2024年3月24日に第2回ワークショップを、5月26日に第3回を公募形式で開催した。2024年度は、9月と1月にワークショップを開催する予定である。今後は、一般社会人向けのワークショップ、病院や企業での訪問ワークショップなども検討している。

WellArt Okayama(山陽新聞記事).jpg

​メンバー紹介

WellArt Okayama は、"アートと共に豊かでウエルネスな人生を生きる"をテーマに岡山大学病院医師、岡山県立美術館学芸員、デッサン教室講師、ベネッセホールディングススタッフ、アーティストが集まってできたグループです。

STAFF

木股敬裕

​木股敬裕

WellArt Okayama代表

岡山大学名誉教授

岡山大学学術研究院医歯薬学域

形成再建外科特命教授

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​小比賀美香子

WellArt Okayama 副代表、

事務局長

岡山大学学術研究院医歯薬学域

総合内科講師

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福冨幸

岡山県立美術館学芸課長

COOPERATOR

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大塚益美

株式会社大塚デザイン 

代表取締役会長

中国デザイン専門学校非常勤講師

​県、市の観光パンフレットや大学など制作実績多数

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​間部俊一

株式会社ベネッセホールディングス 本社・直島統轄部

ARTIST

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​中桐聡美

アーティスト 

​第16回岡山県新進美術家育成I氏賞受賞、個展など

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北川太郎

​アーティスト 彫刻家

​石の内包する魅力をさまざまなアプローチで展開している。

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